大人の都合により中学3年生で一人で生きていかなけらばならなくなった自分。
頼る親戚もなかった。

住人共同のキッチンとトイレ、風呂なし、
家賃、月2,000円のボロアパートで一人暮らしとなった。

しかし、「自由に生きられる」という思いもあり、
「絶望」とか「不幸」というものは全くなく、ワクワクもしていた。
当時は中学生のアルバイトでもそれほど規制がなく、
学校からも許可が出た。

現実は甘くなかったが、周りが助けてくれた。
友人達がよく自宅に招いてくれ、
親御さんたちも「今日も飯くってけ。」と向かえ入れてくれた。
学校も色々と事情を考慮してくれていた。

そこに天使が舞い降りた。
ちょいとくたびれた天使先生だったが、何かと良くしてくれた。

その頃の自分は、特に将来の事を考えてもいなかったが、
何を勘違いしたのか、自分も教師になり、
この愛すべき くたびれ天使と共に働くのだと思うようになっていた。
もちろん自分は”綺麗な天使”になる!と、決まってはいるのだが・・・。

だが、なんと・・・天使になるには大学を出なければいけなかったのだ。

学費がない為、「成績優秀奨学金制度」を利用しながら高校へ通い、
大学も奨学金を利用した国立進学を目指す。
当時、国立の年間の授業料が54万円ほどであった。
奨学金がもらえればなんとかなる!
選択の余地はなく、それしか道はない!

もちろん、塾など行けるわけもなかった。
空いている時間は生活の為に働いていたので、
いかに効率的に勉強するかで勝負も決まる。

自力で学習しようにも参考書を買う金もない。
そんな時、今度は友人天使が舞い降りた。
これまた あまりきれいとは言えない天使だったが、この天使が勉強の手伝いをしてくれた。

なんせ、短時間、短期間で身につけなければいけない。
効率化を図って勉強をした。


天使の協力もあって国立大学に合格した。


どんなに時間があっても、本人にその気がなければ
どんな教科でも身に付かない。

思いが強いものと、適当なものでは、おのずと結果は違ってくる。
最後は思いの強いものが勝つだろう。

親や教師に「勉強しろ」と言われて身に付く勉強はない。


そんなこんなで、天使達の力を借り、天使を目指した自分は今、
塾長という悪魔になり生徒をしごいているのである・・・。


悪魔には、中・高・大と自分で学んできた効率的な勉強法を
現代の教材を用いてアレンジし、土台を意識した学習を目指し、
自分が受けてきた恩を自分の生徒達に返せればという、密かなたくらみもある。

びっちりついて教え込む授業などしない。
自分で考え、工夫する姿勢を奪い取ってしまい、
頼ることに慣れ、わかったふりばかりを上達させてしまうからだ。

子供が自立できる教育を目指し、自分も日々勉強をしていきたいと思う。


「勉強をしたい!」と思う人は、悪魔に会いに来てください。